歯周病は、歯と歯茎の境目に付着したプラークに含まれる細菌によって炎症が起こり、歯を支えている歯肉や歯槽骨などが少しずつ破壊される病気です。
初期には歯茎の腫れや出血が見られます。さらに進行すると歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が失われ、歯のぐらつきや噛みにくさが生じることがあります。
虫歯が一本の歯を中心に進むことが多いのに対し、歯周病は複数の歯に同時に進行する場合があります。重症化すると、一度に複数の歯を失うことにもつながりかねません。
歯周病は、日本で歯を失う大きな原因の一つです。全国の抜歯原因調査では、歯周病は単独の原因として最も大きな割合を占めています。
白鳥歯科矯正歯科では、歯石を取り除くだけで治療を終わらせるのではなく、歯周病を引き起こした原因や進行を助長する要因を詳しく調べます。
精密な検査に基づいて治療計画を立て、歯周病の進行を抑え、ご自身の歯をできる限り長く維持することを目指します。

歯周病は治療後の管理が重要です

歯周病治療によって炎症が改善しても、失われた歯槽骨や歯周組織がすべて元の状態に戻るとは限りません。
また、治療後にプラークが再び蓄積すれば、歯周病が再発する可能性があります。
そのため、歯周病治療では、次の状態を目指します。
● 歯茎の炎症を抑える
● 歯周病の進行を停止させる
● 患者さんご自身で清掃しやすい環境をつくる
● 噛む機能を回復する
● 治療後の状態を維持する
治療が終わった後も、セルフケアと歯科医院での継続的な管理を組み合わせることが大切です。日本歯周病学会のガイドラインでも、原因除去後のSPTやメンテナンスなどの継続管理が不可欠とされています。

歯周病が起こる原因と進行を早める要因

プラークに含まれる細菌

歯周病の主な原因は、歯の表面に付着するプラークです。
プラークは単なる食べかすではなく、多くの細菌と細菌がつくり出した物質から構成されるバイオフィルムです。粘着性があるため歯の表面に強く付着し、うがいだけで十分に取り除くことはできません。
特に、歯と歯の間や歯と歯茎の境目は歯ブラシが届きにくく、プラークが蓄積しやすい場所です。
プラークを放置すると、唾液に含まれる成分によって石灰化し、歯石になります。歯石そのものは歯磨きでは取り除くことができず、その表面にさらにプラークが付着しやすくなります。
歯周病を改善するためには、歯科医院で歯石や歯周ポケット内部のプラークを取り除くとともに、毎日のセルフケアを改善することが必要です。

歯磨きが難しくなるお口の環境

歯並びの乱れ、適合していない詰め物や被せ物、虫歯、歯石などがあると、歯ブラシが届きにくくなり、プラークが残りやすくなります。
歯周病治療では、歯石を取り除くだけでなく、プラークがたまりやすくなっている原因も確認します。
必要に応じて、詰め物や被せ物の修正、虫歯治療、矯正治療などを組み合わせ、患者さんが清掃しやすい口腔環境を整えていきます。

喫煙や糖尿病などの全身的な要因

歯周病の進行には、お口の中の細菌だけでなく、喫煙や糖尿病、ストレス、生活習慣などが関係することがあります。
特に喫煙は歯茎の血流や治癒に影響し、歯周病を進行させたり、治療後の改善を妨げたりするリスク要因です。喫煙によって歯茎から出血しにくくなり、病気に気づきにくいこともあります。
糖尿病がある方では、血糖の管理状態が歯周病に影響する場合があります。必要に応じて医科とも連携しながら治療を進めます。

歯ぎしりや食いしばりによる負担

歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせの不調和は、それだけで歯周病を発症させる直接的な原因ではありません。
しかし、歯周病によって歯を支える組織が弱っている状態で強い力が加わると、歯の揺れや噛みにくさなどの症状を悪化させる可能性があります。
白鳥歯科矯正歯科では、歯周ポケットや歯槽骨の状態だけでなく、歯の動揺や噛み合わせも確認します。
必要と判断した場合には、噛み合わせの調整、マウスピースの使用、歯の固定、矯正治療などを検討します。咬合に対する処置はすべての患者さんに一律で行うものではなく、検査結果をもとに判断します。

歯周病の症状

  • 歯茎からの出血

    歯茎からの出血は、歯肉に炎症が起きている可能性を示す症状です。
    健康な歯茎であれば、通常のブラッシングによって頻繁に出血することはありません。歯磨きのたびに出血する場合や、同じ場所から繰り返し出血する場合は、歯周病検査を受けることが大切です。ただし、喫煙などの影響によって、炎症があっても出血しにくい場合があります。出血がないことだけで歯周病ではないと判断することはできません。

  • 歯のぐらつき

    歯周病によって歯を支える歯槽骨が失われると、歯の動揺が大きくなることがあります。
    歯のぐらつきは、進行した歯周病だけでなく、歯根の破折や強い噛み合わせなどによって起こる場合もあります。原因を調べずに放置すると、歯を残すことが難しくなる可能性があるため、早めの検査が必要です。

  • 口臭

    歯周病が進行して歯周ポケットが深くなると、歯ブラシでは届かない部分に細菌や汚れがたまり、口臭の原因になることがあります。ただし、口臭は舌の汚れ、虫歯、唾液の減少、全身の病気など、歯周病以外の原因でも発生します。口臭だけで歯周病と判断するのではなく、お口全体を検査して原因を確認します。

白鳥歯科矯正歯科の歯周病治療

プラークコントロール

歯周病治療の基本は、プラークの量を減らし、患者さんご自身で清潔な状態を維持できるようにすることです。
歯科衛生士が磨き残しの場所や歯茎の状態を確認し、一人ひとりのお口に合ったブラッシング方法をご説明します。
歯ブラシだけでは清掃が難しい部分には、フロスや歯間ブラシなどの補助器具を使用します。
歯科医院で汚れを取り除くだけでは、毎日の生活でプラークが再び蓄積します。患者さんと歯科医師、歯科衛生士が協力して取り組むことが重要です。

歯周基本治療

歯周基本治療では、歯や歯根の表面に付着したプラークや歯石を取り除きます。
歯茎より上にある歯石だけでなく、歯周ポケット内部に付着した歯石や汚染物質も、専用の器具を使って除去します。
主な処置には、スケーリングとルートプレーニングがあります。
スケーリングは、歯の表面に付着したプラークや歯石を、超音波スケーラーや手用器具で取り除く処置で、ルートプレーニングは歯周ポケット内部にある歯根面の歯石や汚染物質を取り除き、歯茎が治癒しやすい環境を整える処置です。
必要に応じて、清掃を妨げている詰め物や被せ物の修正、虫歯治療、噛み合わせへの対応なども行います。
歯周基本治療では、セルフケアと歯科医院での機械的なプラーク除去が優先されます。抗菌薬はすべての患者さんへ一律に使用するものではなく、症状や治療への反応を確認して適応を判断します。

再評価

歯周基本治療後に、歯周ポケットの深さ、出血、歯の動揺、プラークの付着状態などを再度検査します。
治療前と比較し、炎症がどの程度改善したか、深い歯周ポケットが残っていないかを確認します。
十分に改善している場合は、メンテナンスやSPTへ移行します。改善が不十分な場所については、歯周外科治療などを検討します。

歯周外科治療

歯周基本治療を行っても深い歯周ポケットや歯石が残っている場合には、歯周外科治療を検討します。
歯茎を切開して歯根面や骨の状態を直接確認し、通常の器具では届きにくい部分に残った歯石や感染組織を取り除きます。
歯周外科治療が必要かどうかは、歯周病の進行状態、残っている歯槽骨、患者さんの全身状態、セルフケアの状況などを踏まえて判断します。

歯周組織再生療法

歯周病によって失われた歯槽骨の形や範囲によっては、歯周組織再生療法を検討できる場合があります。
再生療法は、歯周病によって失われた歯周組織の再生を促すための外科治療です。
ただし、すべての骨欠損に適応できるわけではありません。骨の失われ方、歯の動揺、喫煙の有無、全身状態、プラークコントロールの状態などを確認して適応を判断します。
治療によって歯周組織が完全に元通りになることを保証するものではありません。

歯周病治療の流れ

  1. 問診・歯周病検査

    現在気になっている症状、過去の治療歴、喫煙習慣、全身の病気や服用中のお薬などを確認します。
    その後、歯周ポケット検査、レントゲン撮影、口腔内写真、動揺度検査、噛み合わせの確認などを行います。

  2. 診断・治療計画のご説明

    検査結果をもとに、歯周病の範囲や進行状態、原因となっている要素をご説明します。
    治療の選択肢、必要な期間、考えられるリスクなどを共有し、患者さんのご希望を伺いながら治療計画を決定します。

  3. プラークコントロールと歯周基本治療

    ブラッシング指導を行い、患者さんご自身でプラークを除去できる状態を目指します。
    並行して、スケーリングやルートプレーニングによって、歯や歯根面に付着したプラークと歯石を取り除きます。

  4. 再評価検査

    歯周基本治療によって、歯茎の炎症や歯周ポケットがどの程度改善したかを確認します。
    検査結果に応じて、次の治療へ進むか、継続管理へ移行するかを判断します。

  5. 必要に応じた追加治療

    深い歯周ポケットが残っている場合には、歯周外科治療や歯周組織再生療法を検討します。
    歯並びや噛み合わせ、失われた歯などに問題がある場合には、矯正治療や補綴治療などを組み合わせます。

  6. SPT・メンテナンス

    治療によって得られた状態を維持するため、定期的な検査とクリーニングを続けます。
    歯周病は自覚症状が少ないまま再び進行することがあるため、治療後も継続的な管理が必要です。

歯周病治療の症例

60代男性 重度歯周病と歯周病に伴う歯並びの乱れに対する治療

項目

内容

年代

60代

性別

男性

治療期間

1年3か月

主訴

歯並びを改善したい

診断

重度歯周病、歯周病に伴う不正咬合

治療内容

歯周病治療、根管治療、ワイヤー矯正、自家歯牙移植、インプラント治療、ジルコニアクラウンによる補綴治療

矯正治療の主なリスク

歯を動かす際に痛みが生じることがあります。装置に慣れるまでは口内炎ができる場合があります。歯肉退縮や歯根吸収が生じる可能性があります。装置の周囲は歯磨きが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。

矯正費用

精密検査39,600円、ワイヤー矯正880,000円、調整料月額5,720円、リテーナー33,000円。すべて税込

補綴費用

ジルコニアクラウン・ステインタイプ1本126,500円(税込)

インプラント費用

手術準備、インプラント埋入、被せ物など476,300円(税込)

その他

マイクロスコープを使用した根管治療の費用は含まれていません

歯周病治療に関するよくあるご質問

  • 歯周病は治りますか?

    歯肉炎の段階であれば、プラークや歯石を取り除き、適切なセルフケアを行うことで健康な状態への回復が期待できます。歯槽骨が失われた歯周炎では、すべての組織が元通りになるとは限りません。
    治療によって炎症を抑え、進行を停止させ、安定した状態を維持することが目標になります。

  • 根管治療は何回くらいかかりますか?

    軽度の歯肉炎であれば、歯石除去とセルフケアの改善によって炎症が治まることがあります。
    歯周ポケットが深い場合には、歯茎の内部に付着した歯石の除去や、歯周外科治療などが必要になることがあります。

  • 歯周病で失った骨は元に戻りますか?

    失われた歯槽骨が自然にすべて元へ戻るわけではありません。
    骨の失われ方や歯の状態によっては、歯周組織再生療法を検討できる場合がありますが、適応できる症例は限られます。

  • 歯がぐらついていても残せますか?

    歯のぐらつきの程度、残っている歯槽骨、歯根の状態、炎症の範囲などによって異なります。
    歯周基本治療や噛み合わせへの対応、歯の固定などによって保存できる可能性がある一方、状態によっては抜歯が必要になることもあります。

    • メンテナンスはどのくらいの頻度で必要ですか?

      患者さんの歯周病の進行度、磨き残し、喫煙、糖尿病などのリスクによって異なります。
      治療後の検査結果をもとに、患者さんに適した通院間隔をご案内します。

歯周病かもしれないとお悩みの方へ

歯周病は、一本の歯だけでなく、お口の広い範囲へ影響することがある病気です。
プラークや歯石だけでなく、歯並び、適合していない被せ物、噛み合わせ、喫煙、糖尿病など、複数の要因が関係している場合があります。
そのため、定期的にクリーニングを受けていても原因が十分に取り除かれていなければ、歯周病が改善しないことがあります。
大切なのは、まず精密な検査によって現在の状態と原因を明らかにすることです。
白鳥歯科矯正歯科では、歯周基本治療だけでなく、歯周外科、歯周組織再生療法、矯正治療、根管治療、補綴治療などを組み合わせ、お口全体を診ながら治療計画を立てます。
「治療を続けているのに歯茎から出血する」「歯がぐらついてきた」「抜歯が必要と言われた」「歯周病によって歯並びが変わってきた」という方は、上尾市の白鳥歯科矯正歯科へご相談ください。
検査結果をもとに、歯を残せる可能性と必要な治療について分かりやすくご説明します。

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